弟子たちに対してもそうでした。深く愛しあい、共に暮らした12人の弟子は、イエスが捕らえられると一斉に逃げてしまいました。イエスはどれほど大きな孤独と苦痛の中で亡くなられたことでしょう。しかし、復活したイエスは弟子たちに「あなた方に平和があるように」と言葉をかけました。(ヨハネ20・19)家の扉を固く閉じ、おびえていた彼らは心に光がさすのを感じたはずです。
その後、ガリラヤ湖でお現れになった日もそうでした。夜通し漁をした彼らに、イエスは「子たちよ、何か食べる物はあるのか」と声をかけました。(ヨハネ21・5)「ありません」と答えると、右側に網を打つように指示しました。初めてイエスに出会った日と同じでした。だから誰も「あなたはどなたですか」と聞きません。湖の畔で、みんなで朝ご飯が始まります。まるで裏切りも、逮捕も、十字架も、イエスの死さえもなかったかのような態度です。
母親のように愛情にあふれたイエス。このような愛をどんな人にも示された神は今も変わりません。私たちもこの大きな愛に包まれています。ですから、私も今日一日、温もりのある言葉を唇にのせ、嫌な事が起きても静かに忍耐できるようになりたいと思うのです。