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始め善ければ・・・

三宮 麻由子

今日の心の糧イメージ

毎年立てる目標のなかで、子供のころからいまだに守れていないのが「おっちょこちょいを直す」という目標です。でも、当時と違う点があります。それは、守れないながらも前進しているということです。

大人になると、仕事で目標を立てるよう求められます。最初にゴールを設定し、それに向かうための具体的な行動計画を作り、実際に進みながら軌道修正していくのです。その方法を学ぶにつれ、私は目標を「立てる」ことと「実現する」ことを分けて意識しはじめました。

私の「おっちょこちょい」問題は、具体的には忘れ物やケアレスミスです。まず、これは根性や気合といった精神力だけでは克服できないことを自覚しました。実際に結果を出すには、忘れたり間違えたりしないように「ただがんばる」のでなく、チェック機能を充実させようと思いました。

そこで、鞄のものを出し入れする順番やデスクでの行動を細かく思い出し、一つひとつについてヒューマンエラーと呼ばれる「避けられない間違い」が発生する可能性と原因を考えました。家の鍵はどこから出すか、急いで取り出したい調味料は何か、翻訳やエッセイで文章を書いているときはどこで間違えることが多いかなどなど。分析に応じてものの配置を変え、確認方法を何通りも用意したのです。特に、失敗したとき「何が起きたか」を勇気を出して思い出すようになりました。

すると、進むべき方向がよりクリアに見えてきて、目標の立て方が変わりました。理想を描く形から、自然に実践できる方法を探す形になったのです。

1年の始めを良くするには、ずっと先のゴールを描くとともに、いまこの瞬間から踏み出す方向をはっきり見据えることが大切なのかもしれません。