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新井 紀子

今日の心の糧イメージ

小さい頃から私は、様々なものを習いに行きました。バイオリンにピアノ、バレエ。中学生の頃は、軟式テニス。高校の頃は卓球、大人になってからは太極拳や硬式テニスなどです。好奇心が旺盛で習い事をするのが大好きな私ですが、先生からこんなことを言われます。

「上達するために、ここだけの練習ではだめですよ。工夫してもう少し頑張ったらどうですか」「家でもできることがあります。練習に励んでください。がんばれ、がんばれ」

ところが、もともと体力がない私です。習い事の教室でくたくたに、疲れ切ってしまいます。これ以上頑張ることができません。どの習い事もみな、1年もたたずに止めることになったのです。

8年前、北海道へ移住し、羊飼いになりました。田舎暮らしは車での移動に頼らざるを得ません。なんと私は、運動不足になってしまいました。そこで、友人と水中運動教室に参加することにしました。さらに、夫と2人で体操教室にも通うことにしました。また新しい習い事として、羊毛を使った手芸教室にも参加することにしました。

数年の歳月が流れました。私の教室通いはまだ、続いているのです。

なぜ辞めずに続けることができているのでしょう。運動教室ではコーチだけでなく、生徒である参加者全員がよくできたところを褒めてくれるのです。

「よく手が伸びているね」「姿勢が良くなったわね」「泳ぎが美しくなってるわ」そんな言葉の1つ1つが私を嬉しくさせ、やる気を起こさせるのです。

手芸教室でもそうです。

「可愛いね」「色遣いがすてきだわ」などなどです。

習い事が続く秘訣は、「がんばれ」ではなく「よくできました」の褒め言葉だったのです。