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評価する

三宮 麻由子

今日の心の糧イメージ

「評価する」という言葉の英語は"evaluate"です。物事の価値を客観的に判断するというニュアンスです。

たとえば成績や仕事の結果について、日本語で「評価する」は、「褒める」と同義語になります。英語で「褒める」は"praise"で、別の単語です。日本語で「低い評価」と言われると、まるで罪を犯したような気持にさいなまれてしまうことがあります。成績が悪いと「もっとがんばれ」と言われ、仕事の評価が低いと「あいつは仕事ができない」となり、結果でなくその人の能力が問題になってしまう印象があるのです。英語の"evaluate"には、この感情的な部分がないため、評価という言葉自体が中立で、次の結果につながるヒントになり得る気がします。

私は普段、外資系の企業で翻訳の業務を担当しています。社員は毎年自分で目標を立て、自己評価を提出し、上司や同僚からも評価を受けます。その結果はボーナスや給料に直結し、まさに評価がものをいう世界です。

けれど、評価は"evaluate"の単語の通り、感情抜きで行われます。そのため、困難に直面したとき「あなたはそういうことだから」というような叱責は受けません。代わりに「どうしたら解決できると思うか」と問われます。それにしたがってプランを立てると、目標は達成されていくのです。

神様が私たちの行動を見るとき、どちらかといえば英語に近い見方ではないかと思います。失敗した私に、「どうすれば立ち直れるか」、「どうやって修復するか」を見つめるよう仕向けられることはあっても、「そんなことだから」と叱責されることはないと感じるからです。

失敗から学べる手がかりこそが、意味のある評価ではないかと思っています。