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評価する

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

30年位前の話になりますが、わたしが理事をしていた大学の、教育関係の学会において、アメリカの先例にならい、盛んに「教員の授業評価」とか「自己点検・評価」ということを議論したことがあります。これがきっかけになり、文科省でも授業評価や自己点検評価を推進するようになりました。

ところで、何か事業や活動を始めるにあたっては、「プラン・ドゥ・シー(Plan・Do・See)」、すなわち「計画→実行→評価」が必要です。その中で、最後の評価ということが、事業の存続、発展に大きく関わってきます。

この原則を個人の生き方にあてはめると、まず何をするかを考えアイディアが決まったら計画します。計画したことは実践します。そして、最後に点検・評価をします。評価とは、これをして何が良かったか、何が悪かったかを点検し、評価することです。その結果、メリットがデメリットよりも多ければ、その計画を継続していきます。

人生の物事には、長所もあれば、短所もあります。それを比較して、長所が短所を上回るときには、良しとすべきでしょう。

わたしは今、書物を出版しています。筆者はほとんど同じ会の会員です。主題は、たとえば、信仰とか、希望とか、愛とか、祈りとか、人々のスピリチュアルな益となるような内容の文章を書いてもらい、それをプロの出版社に委託します。

こういう事業からどういう評価が生まれるかというと、まず筆者が書くということに自信を持つようになる、読者が読んで心の糧というか、霊的な知識という貴重な宝を得る、本が売れると、発売元が経済的な利益があげられるなどがメリットで、デメリットは資金がかかるということでしょう。