蝉の地上のいのちはわずか一週間。懸命に鳴いてパートナーを見つけ、子孫を残して死んでゆきます。地上での「晴れの時」は7年もの暗い地下での「忍耐の時」があればこそです。
硬い木の実が土の中で芽吹くのにも、「時」が必要です。胚芽が木の実の硬い殻を自然に開かせて芽吹き、そして、若木から大木へと育つにも、やはり「時間」が必要です。
人も同じではないでしょうか?
しかし人は無心に待つことをしないで、自分の力で何とかしようと焦り、あれこれ余計なことをして反って自然に育ついのちの力を損なうことが多いように思われます。
私も子育て中、「早く!早く!」と子ども達を急かし、4人4様の個性を伸ばすより、ないものねだりをしていたような気がします。
7人の孫を持つ身となった今、私は一人ひとりが、内に秘め持つ個性・人格が形成されていくことを信じてその時を待つことの大切さを知りました。
「いのちの与え主である神様は、一人ひとりのために一番いいように導いて下さいます。だから全てを委ねます。あなたの愛を信じて感謝します」と祈ります。
信じればこそ、希望を持って待つことができるのです。