次にこのことに気づかされたのが50年経て67歳の時。
大腸ガンになり、入院、手術を経験した。
手術は無事終わったが、現在も経過観察中の身である。
入院中、早く自分の家に帰り、自分のふとんで眠りたいと切望した。
やっと退院し、自分の家の自分のふとんで眠った時の感激は、何にもたとえられないくらいの喜びであった。
それ以来、毎夜、その幸せを噛みしめながら眠る。
でも、しかしと思う。ひょっとしたらまた、何か災難に遭うかもしれないと。
そんな時、私は何をよりどころに日常を繰り返せるだろうかと考える。何日も何日も考え続け、ある結論に達した。
そうだ、私には肌身離さず身につけているメダイが2個ある。マリアさまの不思議のメダイとヨゼフさまが幼きイエズスさまを抱いておられるメダイ。
もし、着のみ着のまま逃げて、物質的なものはすべて失っても、このメダイは必ず残る。
このメダイがある限り、私は聖家族に守られて、日々を繰り返せる自信がある。