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繰り返し

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

今の不安な世の中、様々な悲惨な出来事、事件、事故に出くわすごとに、心の奥底から、救いを求め、安全、平和を願う祈りが自ずと込上げてくるのは、私だけでしょうか。

話は100年ばかり遡りますが、19世紀フランス・カルメル会の修道女、幼いイエスの聖テレジアは、自叙伝の中で、いみじくも祈りについて、「私にとって、祈りとは、心のほとばしり、天に向ける素朴なまなざし。辛い時にも、苦しい時にも、天に向けて上げる、感謝と愛の叫び」と、このように、祈りは天に向けての叫びと言っています。

静かな修道院の中での天に向けてのこの祈りの心は、遠く離れた今日の日本の喧騒たる社会の真っ只中にあっても共有できるものであります。祈りの心、神仏に手を合わせる心は普遍、失われることはありません。

日本には、古くから、自然保護の象徴とも言える鎮守の森が、全国各地に存在し、この鎮守の森に柏手を打つ善男善女の謙虚な姿は今日に於いても、見られる美風であります。

昨今、核問題やテロ、大気異変、天変地異に直面し、人々の祈りは、切実な叫びともなっています。熱い祈りの"ほとばしり"は、心に、絶えず繰り返し口ずさむ形、(口祷・念祷・射祷)に自然となり、祈りは、一層、強烈となってきます。次の言葉は、聖書の言葉です。真摯に受けとめ、真摯な祈りを絶えず捧げたいものであります。

 

「絶えず祈りなさい」(1テサロニケ 5・17)「何事も心配せず、全てにおいて感謝を込めて祈り、かつ、願い、あなたが望んでいることを神に向かって打ち明けなさい。そうすれば、人間の理解をはるかに超える神の平安があなた方の心と思いを守ってくださいます」(フィリピ4・6)