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私たちのお母さん

岡野 絵里子

今日の心の糧イメージ

数年前のことだが、或る化粧品会社が現代の母親像についてインターネット調査を行った。40代から60代の女性1000人に「母としての自分を漢字一字で表すと何ですか?」との質問に、最も多かった回答が「愛」、2位が「友」、3位が「優」(やさしいという意味のゆう)であった。子どもへの愛にあふれ、優しさで包む母親であり、子どもが成長した後は良き友人のようでありたいという母親像がうかがえる。

ところが、40代から60代の母親を持つ子ども1000人に「お母さんを漢字一字で表すと何ですか?」と尋ねると、回答は1位(やさしいの)「優」、2位「愛」、3位「強」(つよいという意味の、きょう)であった。子どもたちから見ると、お母さんは友人というより、家事も仕事もこなす強い人というイメージであるらしい。ちなみに父親像の上位には、「静」という漢字が挙げられている。

静かなお父さんと強いお母さんという組み合わせは微笑ましい。こんな家庭が円満なのだな、と思わせる。

しっかり者で家族を愛する多くの女性たちは、みな普通の人たちだ。育児に悩むこともある。独身時代は特に子ども好きでもなかったかもしれないのに、いつの間にか、子どものために一生懸命になっている。彼女たちは愛が温かく湧き出す泉を体の中に持っているのだ。それは誰に教えられたのでもなく、彼女たち自身の奥から湧いてくる。そしてその泉は、私たちの聖なる母の愛を源としているかのように、いつまでも尽きない。その方もかつて地上では、よく働く、心の強いお母さんだったのだ。

私たちのまわりにいる大勢の良きお母さんたちを大切にしたいと思う。彼女たちの中には、清らかな聖母の愛が流れているのだから。