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始め善ければ ・・・

黒岩 英臣

今日の心の糧イメージ

始め善ければ終わり善し・・と言いますけど、世の中のお父さんたちはちょっと複雑な気がするんですよね。そりゃあ、初めは愛してましたよ、愛して結婚したことに間違いないです。何しろ、妻は私には無条件に愛らしかったのですから。私は引きつけられましたからね。

いやー、いやいや、今だってもちろん愛していますとも。愛しています。ただ、40年前に比べると、狭心症という病気のために、薬を飲まないとハートが動かないという、決して私のせいではない事実がここにあって、時折り、愛情を疑われたりするのがとても辛いのです。こういう時、私の方も妻の私への愛を疑いますからね。

さて、初めは良かったとして、私達夫婦も「終わり善し」の方へ焦点を合わせて行かなければなりません。

なるべく家族へも、世の中のお世話になっている人々へも、無理や負担をおかけせずに、身軽にみまかりたいので、そのためにするべき事があれば、今のうちからボチボチ始めたいと思っています。そうすれば、まずまず元気で逝けるかも知れません。

ところで、社会人として私達はそれぞれ、終わりの務めを果たさなければなりませんが、私自身、また妻もともにキリスト者ですので、終わりは神のみ許へ行きたいのです。そのためには、果たすべき事がもう1つ残っています。

新約聖書のうち、最後の書である「ヨハネの黙示録」には、こう記されています。「あなたは私の名のためによく忍耐したが、初めのころの愛から離れてしまった。悔い改めて立ち戻りなさい」と。(参:2・3~5)

神へのこの愛、この立ち戻りこそは、聖書全体を通して私達に向けられていた、神の、私達への痛切な愛から迸る思いへの、最後の応えなのです。