次に私は「日本は大変進歩していて裕福な国です。インドのようにたくさんの貧しい人々はいません。しかし、この国には精神的な貧しさがあると思います」と言いました。
するとマザーは次のようにおっしゃいました。
「私の会のシスターたちは、ニューヨーク、ロンドン、オランダ、ドイツなど、あちこちで働いています。それぞれの場所で、大勢の貧しい人々を見ています。それはただ、食べ物がないというような貧しさよりも、もっとひどい貧しさです。飢えている人には、パンやお米をあげると30分でお腹は満たされます。裸の人や寒さで震えている人に、着るものを与えるとすぐに暖かくなります。でも、孤独な人、見捨てられた人、おびえている人、心の傷ついた人、彼らがそれを忘れるように、また、心の痛みがとれるように、そして笑顔が戻るようにするには大変時間がかかります。そのような貧しさは、もっとも厳しい貧しさだと思います。そして、もう1つの貧しさは、人工中絶です。これは愛を殺すものです。神がご自分で愛するためにお創りになった子供を殺します」とおっしゃったのです。
次回はマザーのお話の最終回です。