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クリスマスに学ぶ

越前 喜六 神父

今日の心の糧イメージ

私は聖地イスラエルを訪ねたとき、3回とも、ベトレヘムの羊飼いの丘の教会に参りました。なんとなく好きだからです。

1回目の時は、30年以上も前のことですが、数名のシスターたちとそこの聖堂でミサを捧げたのが、なつかしく想い出されます。

ルカ福音書によれば、クリスマスの夜、主なる神の天使がそこの羊飼いたちに現れ、「民全体に与えられる大きな喜びを告げる。今日ダビデの町、すなわちベトレヘムで、あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」と言われた、とあります。(2・10~11)

神の御子が、マリアを母として人間になられ、可愛い赤ちゃんとしてベトレヘムにお生まれになったということは、人類の救い主になられたということを意味しています。ですから、この真実を信じ、受け入れる人は、救われ、永遠の命を頂くのです。ですから、喜ばずにはいられないでしょう。

また、救い主の降誕は、この世で悩み、苦しみ、悲惨な思いをしている人びとに救いの希望を与えます。なぜなら、主キリストは、彼らの救いと永遠の幸せのために、十字架を担われ、エルサレムのカルワリオの丘で磔刑に処せられ死なれたからです。しかし、キリストは、3日目に栄光の体で復活されました。それは、人類の救いの希望が、必ず実現することを保証するためでした。ですから、私たち人間は、どんなにひどい状況にあっても、未来にはもっと素晴らしい世界が訪れることを信じて、希望と喜びのうちに生きていくことができます。

その根底にあるのが、父なる神と御子イエス・キリストの私たちに対する無条件の愛といつくしみにほかなりません。