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クリスマスに学ぶ

シスター 菊地 多嘉子

今日の心の糧イメージ

「みことばは人となり、われわれのうちに宿られた。」(ヨハネ1・14)

クリスマスの季節に入ると、教会の祈りの中で繰り返しこの言葉が唱えられます。この驚くべき言葉は何を意味するのでしょう。みことばについて記されたヨハネの福音書の冒頭に次の言葉があります。

「初めにみことばがあった。みことばは神とともにあった。みことばは神であった。みことばは初めに神とともにあった。すべてのものはみことばによって造られた。造られたもので、みことばによらずに造られたものは何一つなかった。みことばのうちにいのちがあった。このいのちは人間の光であった。」(1・1~4)

聖書のこの箇所を、心の中で何度も繰り返しているうちに、マリアを通してイエス様が人となって、この世にお生まれになった、あのクリスマスの夜の出来事が、私たちとどのような関わりがあるのか、わかってくるように思われます。

無力なみどりご。ただ泣くことでしか自分の意志を表すことの出来ないみどりごが、神の独り子であると信じる信仰を、私たちはいただきました。

イエス様が神の独り子としてこの世に降られたという神秘を解く鍵は、聖書によれば「愛である」の一語に要約されます。神は私たちと全く同じ人間になって、悲しみも苦しみも共にされることを望まれたのです。イエス様のご生涯を眺めるとき、私たちが耐え忍ぶどんな些細な苦しみをも、イエス様は身をもって体験されました。そして、私たちがその光のうちに歩むように導かれます。

クリスマスはこの愛のもっとも深いあらわれではないでしょうか。