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クリスマスに学ぶ

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

12月25日はクリスマス、2千年前のキリストの誕生を記念する祭日であることは、だれもが知っています。

日本では、この日は休日ではありませんが、クリスマスを祝う気分は十分に持ち合わせています。年末の忙しい時期ながら、この日は特に、家族や友人とともに、この日にふさわしく、喜びをもって過ごそうと、特別の計画を多くの人が持ち合わせています。この計画を、ただ"楽しい、おいしい"で終わらせず、クリスマス、そして、いまの宇宙時代にふさわしく、思いも、行いも、いと高く遠大にし、聖書にあるこのシーズンのスローガン、"天に栄光、地に平和"というこの言葉を、真摯に受け止め思索するのも、"楽しく、おいしく"きわめて意義深いことだと思います。

3年前、当時のローマ教皇ベネディクト16世も、フィナンシャル・タイムスに寄稿し、次のように述べています。

「クリスマスには聖書を読んで学ぶべきだ。政治や株式市場など世俗の出来事にどう関わるべきか聖書の中に見つけられる。貧困と戦わねばならない。クリスマスは、とても楽しいが、同時に深く反省すべきときでもある。私たちは、慎ましく貧しい馬小屋の光景から何かを学べるだろう」

このように述べていますが、聖書には、共感を呼ぶ今日的、現実的記述が多く見られます。

「地上では、海はさかまき荒れ狂うので、国々の民たちはあわてふためく。人々はこの世界に何が起こるのかとおびえ、恐ろしさと不安のあまり気を失うであろう。天のもろもろの力が揺り動かされるからである」。(ルカ21・25~26)「天地は過ぎ去る。しかし、わたしの言葉は過ぎ去ることはない」(同21・33)

クリスマスを寿ぐとともに、ぜひ「聖書をひもとく機会」としたいものであります。