そもそも、「おおらか」とは、どういうことなのか。辞書によりますと、分量の多いさま、ゆったりとして こせこせしないさま、おおよう、つまり、寛大な心であります。寛大の寛という漢字は「ひろい」という意味から「心が大きい」「いつくしむ」「めぐむ」という意味にまで及んでいます。
社会の人々だれもが全員、幸せになるための共通善実現のための「おおらかさ」とはなにか。熟慮するに、それは「物質的なことに限らず、精神的なものも含め、己の最善なものを人に与え、自分自身もその人も互いに幸せと喜びを共感すること」と言えるのではないでしょうか。
聖書も次のように説いています。「『心を尽くしてあなたの神である主を愛せよ』これが一番の掟である。第二もこれに似ている。『隣人をあなた自身のように愛せよ』」と。(マタイ22・37〜39)