さて話は変わりますが、長い心理療法の仕事を通して、どんな悲劇的な人生でも、その悲劇と事件に遭遇したある男女がそれぞれに逞しく立ちあがり、そして明るく元気に爽やかに生きだした事例を想い出してみますと、共通したところが一つだけありました。
それは、老境での不安感であろうが、どんな年代の苦悩であろうが、それぞれが、それぞれの苦労の意味を見出した人たちでした。
或人は魂の存在に気付きます。つまり魂とは何か、を思索しだした人です。
私の場合は、昔、恩師が教えて下さった魂論が今の私を元気づけています。「魂は老いることもなく病むこともない、永遠不変なもの、魂は愛そのもの、臨終と共に身体から離脱する知的生命体である」という教えです。自分の中に愛である魂が存在している事を信じると、その答えや意味が見えてくるようです。どんな人生問題に遭遇しても、静かに自分の魂に語りかける習慣をつけると、魂はその場、その場で、素晴らしい答えと意味を悟らせると云う思想です。
意味がわかると人はどんな苦難にも立ち向かうようです。