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老いるにも意味が・・・

中井 俊已

今日の心の糧イメージ

人間が老いていくのは、避けられないことゆえ、それには意味があると思います。

一般に年を取ると、髪の毛が少なくなったり、皮膚にシワやシミができてきたり、体力が落ちたり、体が言うことを効かなくなったりするものです。しかし、これは当然のこと。体はこれまで長い間働いてきたのですから、古くなり衰えてくるのは自然の理です。

あなたの人生は、もう後半、そろそろ最後の旅路の準備をしておいたほうがいいですよ、と体が教えてくれている、私はそう考えています。

最後の旅路とは、天国に召されるということです。

人間は体と霊魂からできて、体は物質ですからいずれ滅びるのですが、霊魂はいつまでも残ります。体の死を迎えたとき、霊魂がどういう状態かで、その後の行く先が決まります。たとえ体はボロボロでも、霊魂を磨いていれば天国に行けるのです。

では、霊魂を磨くには、どうすればいいのでしょうか。

まずは、謙虚であること。体が老いると、自分であれこれするのが難しくなり、人に助けてもらわなくてはなりません。ですから、より謙虚になれる可能性が増します。

そして、感謝を忘れないこと。これも体が老いてくると、人様にお世話になることが多いので、感謝できるチャンスが増えます。

さらに、愛徳を実践すること。体が思うように動かなくてもできることがあります。たとえば笑顔で愛のある言葉を話すこと。それだけで、まわりの人は、愛を感じるものです。それに、病に伏した人でも、何もできないということはなく、お祈りで人を助けることができます。

こんなふうに、老いのおかげもあって、謙虚で感謝の気持ちをもち、愛徳や祈りを実践できます。自分をいっそうきれいに磨くことができるのです。