このようにして、親子のきずながつくられ、子供の情緒も心も安定するからです。ですから、親のかかわり方そのものが、子供に対するもっとも重要な手本になると言えそうです。
人は成長するに従って、さまざまな人から、良かれ悪しかれ影響を受けます。良い手本は、いつもほかの人たちのことを思いやる言葉や行いではないでしょうか。
ある新聞社主催の作文コンクールで金賞をとった小学校六年生の女の子は、「声をかけることの大切さ」を訴えていました。彼女の両親は共働きですが、朝学校に行こうとするとき、近所のおじいさんが、背中のバックを見て、「今日は遠足かい?」と声をかける。さらに道路を渡ろうとすると、顔見知りのおばさんが「気をつけてね」と言ってくれる。学校から帰ると、隣のおばさんが、「これ食べない?」と言って手作りのお菓子を持ってくる。この女の子は、このような大人の「声かけ」をとてもありがたいと思い、自分もほかの人に積極的に声をかけるようにしたい、それが明るく、元気で平和な社会をつくることにつながると信じています。
ある人に声をかけるということは、その人のことを思っているということですし、このような人と人とのきずなをつくる努力こそ大切な手本だと言えます。