一般的に人間は、日常生活の中で流されるように生きていたとしても、何かしらの判断基準があって、度々やって来る人生の分岐点において、一つの方向性を選び取っているのかもしれません。
聖書によると、イエスという方は、様々な言葉を弟子たちに残しました。そして、その言葉を中心にして、教会は様々な掟や決まり事を作ってきました。これらの教えの中で最も大切なこと、黄金律と呼ばれますが、それは、次のような言葉です。
「第一の掟は、これである。『イスラエルよ、聞け、わたしたちの神である主は、唯一の主である。心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くし、力を尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。』第二の掟は、これである。『隣人を自分のように愛しなさい。』この二つにまさる掟はほかにない。」(マルコ12・29〜31)
「神さまを大切にすること」と同時に「周りの人を自分と同じように大切にすること」。これこそが、一番大切なのだよ、とイエスはおっしゃいます。これは、自己満足や自己中心、傲慢に陥ることなく、常に目を周りに向けて、日々接する人たちと仲良く暮らしていくための人生の教訓そのものだと私は思います。そして、これは単なる言葉だけでなく、イエスの招きでもあるのです。