「そんな仕事をするなんて夢にも思わなかった・・・パリに最初に行ったのも目的なくフラッと・・」
もともと服を縫ったり、ものを作るのが十代の頃から好きだっただけ。
パリで泊まったホテルのおばあさんから、「こんな仕事してみない?」と声をかけられて「ハイ」と返事し、そのままパリに居ついてしまった・・・頭角をあらわそうと努力した訳でもなく、その場その時の流れに従ってマイペースで働いていたら、業界トップの「ファッションアドバイザー」という肩書きがついていた・・・。
Yさんとお喋りしていると、そうか、ゆったりあせらないで生きていけばいいんだね、神様はぜーんぶ用意してくださるのね、と大きな気持ちになるのが不思議です。
因みにYさんは曾祖父様の代からのカトリックの家系。
関東大震災のときには、教会がすっかり倒壊してしまったので、一時期、Yさんの家が教会として使われていました。
「すごい。イエス様とひとつ屋根の下で暮らせたのね」と感嘆すると、「わたしの生まれる前のことだから知らない」と、さらりとかわすYさんでした。