もちろん教訓といっても、中には苦い教訓もあります。津波にさらわれた方のことを思うと、「海の近くでは、地震が起きたらすぐに高台に避難すること」などです。でもそれだけで、私たちを安全に導く、いのちを守るものとなっているでしょうか。
心のともしび。「暗いと不平を言うよりもすすんであかりをつけましょう。」このフレーズを「人生の教訓」として下さっている方も、もしかすると中にはおられるかも知れませんね。
私たちにとって、私にとって、ともしび、支え、道しるべとなっているものは何でしょう。
北の夜空に輝く星。小さな北極星。海の船乗り達にとっては、確実に北を知ることのできる手がかり。羅針盤やGPSが活躍する現代でも、変わることなく北を差し示してくれる星。大切な道しるべでしょう。
私たちは、時を経ても変わらないもの、私たちを安全へと、成功へと、幸福へと導くもの、その様な言葉、存在に憧れ、探し求め、見つけたものを大切にしながらも、今もなお探し続けているのかも知れません。
私を導いてくれる「言葉」「教訓」、その言葉に出会う時、その言葉を語る存在に出会う時、私たちは変えられてゆきます。出会った大切な「ことば」一つ一つ、出会った大切な「存在」一人一人を大切にしながら、今日というこの日を、「今」というこの時を大切に歩んでゆくことができます様に。