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新しいいのち

小林 陽子

今日の心の糧イメージ

山で暮らしているとーーそれも谷川沿いの崖の斜面ですからーー自然の移ろいには、都市部で暮らしていた頃より先まわりしている感あり、です。

冬の寒さは「寒冷地獄よ、いやな季節」と毎年嘆いているのです。

なにしろ、大雪かなというともう、神父様はミサを捧げに山を上ってこられなくなります。おととしの冬の一月は、一度しか日曜のミサがありませんでした。

それでもイエスさまのご降誕をお祝いして行われたクリスマスのミサではやっぱりワクワクしました。冬枯れの木立に、小さな星のイルミネーションも飾ったりして。

そして、寒冷期には、何とかやり過ごさねばと、ぶあつい防寒着に身を包んで「イヌイット状態」になります。

「う〜さむ」と首をすくめて歩いていると、バス通り沿いの雑木林の枯れ枝の先に「あれ?」と目がとまりました。枝先になにかついてるーーまだ芽吹きともいえないような小さな小さな固いとんがりが。芽吹きの春なんてまだまだなのに、もう用意されている!いつから?

よく見るとあっちにもこっちにも。凍えそうな冷気に耐えて、知らない内に芽吹いていたのですね。

芽吹くことを、芽ぐむとも言いますね。「芽ぐみ」は自然の恵み。おんなじだわ、私達の歩く道と、と思います。

一番苦しくて辛い、嫌な出来事に投げ込まれても、そのただ中でなにかが、ちょこっとでも希望の芽吹きのようなものが用意されているのに気付くことがないでしょうか?

イエスさまってにくいですよね。知らない間に先回りして、待っていてくださる。

もうちょっとの辛抱、大丈夫だよって両手をひろげて。