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マリア様の役割

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

薔薇咲き薫る5月、カトリック教会では、聖母マリアの月であります。多くの芸術作品のモティーフともなっている聖母、その名はだれもが知っています。その憐れみは、あまねく人々の心の奥深くおよび、聖母に祈り、聖母と共に祈る人々の数はいかばかりか、計り知れません。その呼び名は、処女マリアから、キリストの母、神の母、教会の母、人類の母へと、その広がりに果てはありません。マリア様には、だれしも、母親に対するような絶対的な信頼を寄せています。そして同時に、マリア様の偉大な働き、無限のお力を直感し、マリア様の神秘性、とくに無原罪の宿りの超自然的不可思議さも感じ認め、感歎賛美し、崇敬しています。

常に身近に感じる聖母マリアですが、世界的に知られる南フランスのルルドで19世紀に起きたマリアのご出現の奇跡はじめ、世界各地で起きているマリア様のご出現によって、マリア様への親近感が益々強くなっています。日本でも、1973年から1975年にかけて、秋田市にある女子修道院、聖体奉仕会で木彫のマリアさまを巡り不思議な奇跡が起こり、当時の新潟教区の伊藤司教はバチカンに諮問し、1984年、これを奇跡と認め、聖母のメッセージを承認しました。このメッセージは、1917年、ポルトガルのファティマにご出現の聖母のメッセージと同じ、人類への警告で、秋田の聖母は、101回、涙を流され、「教皇、司教、司祭はじめ、人々の悔い改めのため祈りなさい。世の人の多くは、主を悲しませています」と、その悲しみを一修道女に訴えられたのです。

私たちのいのち、喜び、希望である聖母、その警告を謙虚に受け止め、祈りの生活をより大切にしたいものです。