ここに登場する3人の生き様は、それぞれの「勇気」について語っていると思います。
弟は、虫がよすぎるとも言えますが、「我に返って」父の許に帰りました。自分の失敗や過ちを心から認め、他人にゆるしを請うという行動にはかなりの勇気が必要です。ささいな諍い程度でも、意固地になってなかなか自分の非を認められないという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。弟に憤り、素直に父の寛容さを受け入れて喜びの輪に入って行く「勇気」が持てない兄は、まさにこのパターンでしょう。
そして、父親は弟の勇気を待たずに、帰って来た我が子を見つけて走り寄り、ゆるします。かたくなな兄に対しても深い愛情を表わします。この父の広い心は、まさに「勇気」を持って「愛する」ということを教えていると思います。