もしも、停電の間中じっと座ったまま、「一体いつまで消しとくんだい!何もできやしないじゃないか」とブツブツ言うばかりで、一向に自分から立って灯りを点けようとしない人がいたら、「なんて人だ」、ということになります。
しかし、広く社会全体について考えてみる時、いろんな場合にこういう態度をとる人が案外多いように思われます。「不平屋さん」とでも言うのでしょうか、こういう人は、現代の社会が物質的に繁栄している反面、精神的には全く暗闇に閉ざされていることを嘆き、悲しみはするものの、すすんで光をもたらそうとは決してしないのです。
誰の心の中にも、少しは不平や不満があるものですが、それと同時に、誰でも光をもたらす力を持っていることを忘れてはなりません。身近なところでよくないことが行われているのを見たり聞いたりした時、ある人はただ座って不平を言うだけですが、ある人は自分自身の心の中に明るくともしびをかかげ、よくないことを正しい姿にするために、すすんで力を尽くします。
私たちはどちらの態度をとるべきでしょうか。