▲をクリックすると音声で聞こえます。

ストレス解消法

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

厳しい現実を生き抜く中で、深刻で、かつ、無視出来ないストレスは「自分が死んだらどうなるのでしょう?」というストレスのようです。ストレスの種類と、その強さは人類の数ほどあり、その解消法も、文化、人種、宗教、地方性により、これまた無数にありますが、ここでは、その一つ「自分が死んだらどうなるか?」を考えてみます。

同じ宗教でも「死んだらどうなるか」という教えは、その解釈となると、一人ひとり全部違うようです。正直なところ死後の世界は死んでみないと分かりませんが、心理療法で、死んでみないと分かりませんとは言えないので、学問としての範囲で会話していきます。その学問とは「信じて見えてくる世界、信じて見えなくなる世界」と云う宗教心理学の理論を展開するわけです。

信じると見えてくる世界、例えば、末っ子の私の場合、6つ以上も上の兄姉からしばしばからかわれ「高ちゃんは橋の下で拾われた子だよ」と言われ、本気で悩んだものです。親に云いましても笑うばかりで、相手にしてくれません。その悩みから解放されたのは、親の言葉「高ちゃんは本当に私達の可愛い子供ですよ」を信じたので、親の愛が見えてきたわけです。

「自分の死とその後の世界」というストレスの私の解消法は信仰の力です。そして、心理療法の中では、「信じて見えてくる世界があること」を巡る対話です。どんなに疑い深いタイプの人でも、どんなに人生に希望を感じないタイプの人でも、人間の心の世界の中に「信じると見えてくる世界」が存在する現実を認識すると、どんな生育史上辛い想い出を所持する人でも、明るく元気に爽やかに生きだす現象を私は沢山体験し、愛である神様の神秘に感動しています。