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ストレス解消法

今井 美沙子

今日の心の糧イメージ

昨年、大腸ガンの手術をするまでは、私のストレス解消法といえば、一にも二にもおしゃべりすることであった。

気の合った友人知人としゃべっていると楽しくて時間が経つのも忘れ、気がつくと、ストレスなどいつのまにか吹き飛んでいた。

「美沙子さんがしゃべらなくなったら病気やわ」といわれるほどであった。

そんな私が手術のため入院した2週間、夫と息子以外、誰にも知らせていなかったので、見舞い客もなく、しばしば沈黙の時間を過ごさなければならなくなった。

その時、私を救ってくれたのが聖なる本であった。持参していた『奇跡の泉ルルドへ』と『聖ヨゼフに祈る』であった。

繰り返し繰り返し、暗記するほど読み続けた。まるで自分がルルドへ行っているかのような気持ちになり、マリアさまにすっぽり抱かれているような安らかさに包まれた。

また、ヨゼフさまがベッド脇におられて、私を見守ってくださっているかのような力強さも感じた。

今思えば、手術前後の10日間の絶食のストレスも、聖なる本のおかげで救われた。

今、私の書斎の机の脇の本棚には、200冊以上の聖なる本が並び、私をやさしく励ましてくれている。

『聖人事典』、「ファチマの牧童』、『アシジの聖フランシスコ』『ピオ神父と守護の天使』、『マザー・テレサ』・・・。

背表紙を眺めているだけで心がいやされる。

現在は小康状態であるが、5年間の経過観察の途中でひょっとしたら再発するかもしれないという不安はぬぐえない。でも、もしまた入院手術となったとしても、これらの聖なる本をたずさえていれば、きっとイエズス、マリア、ヨゼフさまが傍にいてくださるだろう。