ある月の夜、見慣れた粗末な漁船が近づいてくるのが見え、あの子が迎えに来てくれた、とマリアは思うのです。舟の方に走って行くと、3人の男が乗っていて、そのうちの1人が舟を出て、海の上を歩いて近づいてきます。マリアは、しっかりと息子の腕に抱きとめられ、『あなたに言われた通りにしましたよ、ヨハネの世話をして』と言うのです。すると、息子は『あなたは私の頼んだことは何の手落ちもなくしてくださいましたよ。さあ、一緒に帰りましょう』と言って、一緒に海の上を歩いていき、マリアはいままで起こったことを全部息子に聞いてもらうのです。舟には、シモンとアンデレも乗っていました。私はこの話が大好きなのです。