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マリア様の役割

崔 友本枝

今日の心の糧イメージ

私は、聖母マリアに祈りの取り次ぎを願うとき、「ママ」と呼びかけます。いつ聖母が私の母になったかをよく覚えています。

30代の時のことです。ある「母の日」、私は実家の母に会う予定でピンクの鉢植えのカーネーションを用意していましたが、母に急な用が出来て会えなくなりました。がっかりしましたが、聖母のご像の前に渡せなかった花を置いて祈りました。しばらくすると、まるで映画を見ているようにくっきりとしたイメージが心に浮かびました。マリア様がエプロンをし、素朴な田舎のお母さんのような姿で、2歳くらいの私と遊んでいるイメージでした。私は、きゃっきゃっと声を上げて喜びながら、マリア様の長いスカートの裾に隠れました。聖母は体をよじって私を探すふりをしてくれているのです。私が右に隠れると左を探し、左に隠れると右側を探して見つけられないふりをして遊んでくれたのです。お母さんと遊んでいることが嬉しくてたまらず、笑いながら走っていると、マリア様は私をご自分の目の高さに抱き上げ「高い、高ーい」と言って喜ばせてくれました。その温かく、鮮やかなイメージに後から後から涙が落ちました。

このことがあって以来、私は聖母のどんなご像を見ても、ご絵を見ても、特別な懐かしさを感じるようになりました。あの日から私のママは、聖母マリア様になったのです。

マリア様の役割は、私たちを励まし、慰め、力づけてくださることです。ですから、私たちはどんな小さなこともマリア様に「ママ」と呼びかけて頼っていいのです。ママは転んだ子供に駆け寄り、優しく白い手で私たちを必ず抱き起こしてくださいますから。