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神の呼びかけ

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

寝る前には次の日の予定確認を怠らない。いつも同じ時刻に目を覚まし、決まった道を通って、いつもの駅へと急ぐ。だいたい同じ時間の電車に乗り、それも同じ車両に乗ることが多い。目的地に着くと、これまた同じ道を同じように通って職場に急ぐ。

時々、電車が数分でも遅れてしまうと、一日沈んだ気分になることもある。仕事で突然の来客があったり、一日の予定がすべて狂ってしまったりすると、一瞬、パニックに陥ってしまう。

もしかすると、私たちの日常生活は、このような予定表通りの毎日かもしれない。また、現代人は突然の予定変更を嫌うものなのかもしれない。

ところで、聖書によると、いろんな人が、神様からの呼びかけを受けていると記されているが、これがまた突然の呼びかけばかりである。

羊の群れを追って、ホレブという山に来たモーセは、火に燃えているのに燃え尽きない柴を目にして「モーセよ、モーセよ」と呼びかける神の声を耳にする。その後、彼はイスラエルの人々を連れてエジプトを脱出し、約束の地へと導く大役を仰せつかる。(出エジプト記3章)

また、エリという祭司の元で仕えていた少年サムエルは、寝ている最中に神様の呼びかけを聞く。エリに呼ばれたのだろうと思ったサムエルはエリの元に駆けつけるが、エリは呼んでいないと言う。三度目にエリはこれが神様からの呼びかけだと気づき、サムエルに「主よ、お話ください。僕は聞いております」と答える事を教える。(サムエル記上3章)

そして、救い主の母となる使命を受けたマリアも、突然、天使のお告げの言葉を受ける。(ルカ1・26〜38)

神の呼びかけは、私自身が準備万端の時になされるのではない。突然の出来事である。この突然の呼びかけに耳を傾けるためには、私に何が必要だろうか。