神の呼びかけ

崔 友本枝

私たちは人が「神から呼びかけられる」ということを特別なことだと感じます。マザーテレサのような聖人にしか起こらない不思議なことだと思ってしまうのです。

しかし、聖書を読むと神さまは立派な人ばかりではなく、漁師や貧しい人や病に悩む普通の人たちを愛していることがわかります。人は誰かを愛すると語りかけずにはいられません。神さまも同じです。神さまは私たちに語りかけておられます。そして、応答を待っておられるのです。

最近、私は自分の中の「悪」がよく見えるようになりました。戦わなくてはならないと感じています。これも「神からの呼びかけ」です。なぜなら、自分は目をそらしていたいのに「しっかり見つめて戦いなさい。私が助けるから」と言われていると感じるからです。

心の奥に潜む悪と戦うのは私の望みではありません。それは神の呼びかけです。私はこれに従いたいと思います。他に呼びかけを感じていることは、毎朝の祈りです。気持ちが乗っても乗らなくても感情とはかかわりなく一定の時間をとって祈るように、神さまは朝ごとに私に呼びかけてくださいます。飼っている猫がしょっちゅう祈りを邪魔しにきますので追いかけっこをしている内に面倒になってお祈りをやめたくなります。友だちにメールを入れたくなったり、新しい本を読みたくなったりしますが、「朝一番に祈りなさい」という呼びかけに応え、怠け心と戦うとあとはみんなするするとうまくいくのです。

特別な理由もないのに祈らずに好きなことを先に始めると空しい一日になってしまいます。神さまの語りかけは、一人ひとりちがうものでしょう。自分を超えた方の呼びかけを聞きとり、それに従うなら幸せになっていきます。