泳ぎ方や鉄棒は、本や講習会で習い教えたというのです。プールサイドから、もっと手を伸ばしてとか、もう少し頑張れとか声をかけました。できると、子供たちを褒めに褒めたそうです。
Kさんは定年後、友達に誘われマラソンを始めました。目標はフルマラソンです。運動音痴の彼女でも走ることならできそうだと思ったのです。練習を重ねると、少しづつ長く走れるようになりました。
初めて参加したフルマラソンでは、沿道でご当地のお菓子や梅干しがふるまわれました。
「梅干しがすごくおいしかったの。楽しかった」
次に参加したマラソンでは、制限時間内に走ることができませんでした。
「はい、ここまでです。バスに乗ってください」と撤収のバスに乗せられてしまったそうです。
彼女は昨年、北海道、洞爺湖マラソンに参加しました。制限時間内に走らないといけません。時間配分を考えて、走りました。そして、見事完走することができたのです。
「自己ベストが更新できたのよ。」
運動能力は年齢とともに衰えるものだと、私は思っていました。ところが違ったのです。走るたびに自己ベストを更新していく彼女を見ていると私は思います。人間というものは、いくつになっても無限の可能性があるのだなあと。
今年、彼女は水泳に挑戦するそうです。