無限の可能性

中井 俊已

新緑まぶしい春。年度の始まりに、私たちは夢を抱いて新しい一歩を踏み出すものです。

その歩みに多くの困難や障害があり、いまはとても無理だと思えても、私たちの夢のほとんどは実現できるでしょう。

考えてみてください。この世に存在するものは、かつて誰かの夢でした。空飛ぶ飛行機も、宇宙に飛び立つロケットも、世界中の人と瞬時につながるインターネットも、始めは誰かの頭の中にしかなく、実現不可能だと思われていたものでした。

けれども、その夢をかなえたいと本気で信じている人がいたのです。夢を実現するために努力を惜しまない人がいたのです。そして、いつしか夢は現実となり、当たり前のことになりました。

ですから、いま、無理だと言われることも、将来、実現できないと誰が言えるでしょうか。本気で取り組み、あきらめなければ、現実のものになるでしょう。私たち人間は、そんな素晴らしい可能性を持っているのです。

しかし、その可能性は無限ではありません。そもそも人間はみな有限の存在です。生まれたばかりの赤ちゃんにどれだけ可能性があふれていても、その生涯には必ず終わりがあります。時間的にも物理的にも能力的にも、この世で私たちには限界があるのです。

と言っても、悲観することもありません。有限である私たちは無限の存在である神と共に生きることができるからです。神から尽きることのない愛、あふれるばかりの恵みをいただくことができます。

ましてや天国では、完全な幸福を終わりなく味わうこともできるのですから。

自分に弱さや欠点があろうとも、どれだけ困難があろうとも、神の助けがあれば、夢はかなうでしょう。神と共にあれば、私たちの未来には無限の可能性があるのだと思います。