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古い自分を捨てる

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

さきごろ、ニュースで、折角、多くのことを大学で学び、卒業しても、3人に1人が3年以内に離職してしまうということが報道され、注目されました。この離職の傾向は、高卒ではなお著しいとのことです。

これについて、雇用主の働かせ方に問題があるのではないかとの声もあがっていますが、新入社員側にも学生時代の安逸な、「古い自分を捨て」切れなかったという忍耐不足があったかも知れません。いずれにせよ、「石の上にも3年」の成果なく脱落してしまうのは残念なこと。かつてあった古きよき時代では、安定した収入と老後が約束された、一企業の正社員として定年まで勤めあげるのが、一般的でした。このような企業の家族的温情は、いまや望むべくもなく、全く消え去り、それとは全く逆の、大規模な人員整理が常態化し、企業合併や倒産もいつ起こるかわからない、常に緊迫した事態です。働く人々は、常に不安にさらされている。これが、偽らざる21世紀の現状です。

何もかもが流動的と思われる今の時代、その激しい流れの中にあって、オイシイ、タノシイのみで満足の輩はともかく、多くの苦しみや悲しみに耐えている善良真摯な人々は、何を信頼し、目当てに生きて行けばよいのか、1人ひとりそれを模索し、探求していると言っても過言ではありません。今は、孤独、個人、の「個の時代」。

このときにあって、聖書の言葉、「人間の心は自分の道を計画する。主が一歩一歩を備えてくださる」。(箴言16・9)「主に信頼して善を行え。地に住み、誠実を養え」。(詩編37・3)「あなたの道を主にゆだねよ。主に信頼せよ。主が成し遂げてくださる」。(詩編37・5)に注目。

神なしに人生は考えることはできないというのが結論です。