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古い自分を捨てる

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ

「一年の計は元旦にあり」などと言われ、新年にあたって、いろんな目標を立てたり、決心したりする人たちが多いとは思いますが、キリストを信じる人たちにとって、新しいスタートを切るのは、何も元旦に限ったことではありません。思い立ったまさにその時に、常に新しいスタートが切れるのです。

聖書は告げます。「怒り、憤り、悪意、そしり、口から出る恥ずべき言葉を捨てなさい。互いにうそをついてはなりません。古い人をその行いと共に脱ぎ捨て、造り主の姿に倣う新しい人を身に着け、日々新たにされて、真の知識に達するのです。」(コロサイ3・8〜10)

いつでも、どこでも、どんな状況にあっても、古い自分を捨てて、新しい人として生きることができるのだ、と聖書は強調します。

なぜなら、「あなたがたは神に選ばれ、聖なる者とされ、愛されているのですから、憐れみの心、慈愛、謙遜、柔和、寛容を身に着けなさい。互いに忍び合い、責めるべきことがあっても、赦し合いなさい。主があなたがたを赦してくださったように、あなたがたも同じようにしなさい。これらすべてに加えて、愛を身に着けなさい。」(同3・12〜14)

いろんな傷を抱えていても、困難な状況にあっても、さらには、絡み合ったしがらみの中にあったとしても、それでも、神さまは一人一人を呼んでくださり、豊かな愛を注ぎ続け赦しを与えてくださるのです。

自らの抱えている問題だけに目を留めず、少し客観的に自分自身とその周りを眺めてみれば、数々の人たちを通して、この私に恵みが注がれ、自分自身が生かされていることに気付くことができると思います。

「そして、何を話すにせよ、行なうにせよ、すべてを主イエスの名によって行い、イエスによって、父である神に感謝しなさい。」と聖書はその言葉を結んでいます。(同3・17)