年の功か公募展の審査員を委嘱されることがあります。各都市など地域の展覧会や児童・生徒が対象の場合が多いので、資料に年齢性別が入っている事が多く何となく作者のイメージが思い描けて、正しく評価を出してきたつもりです。
先日ある大きな団体の外部審査員を引き受けました。全国からの応募で2日間をかけての審査なので、まず内部審査員によって下見があり既に当落は決定、外部審査員を加え、賞が決定するという手順でした。何回もチャレンジを続ける応募者に、内部審査員は面識が出来、情けが移る人もいて、公正を欠くのでと云われ、私には何の資料も無く全く白紙で、作品と向きあうことになりました。
上手であっても技巧だけの描き過ぎの作品、流行を意識するあまり作者が見えない作品、猥雑で品格の無い作品を排除しました。
日々の営みの中でキラリと光るものや出来事をモティーフに、日頃から思索するテーマを重ねると、自然に最善の表現が体験から見付かります。私が「作者はこんな方ではないですか」と云うと「占師みたいにピタリです」と云われてしまいました。多くの見知らぬ作家の絵から色々教えられ、私にとっても「人生は学び」の1日となりました。