パソコンやスマートフォン、電磁調理器や歩くための電子探知装置など、私はたくさんの機械に囲まれて暮らしています。視力がないことを補うために、ハイテク機器は素晴らしい助けとなるからです。
もちろん、操作や仕組みを学ぶのはたやすくありません。機械がそれほど好きではないので、パソコンのトラブルに見舞われるとすぐに、誰か助けてーー、となってしまいます。
それでも、情報技術について少しでも学び続けようといつも思います。この素晴らしい助けを使いこなせば使いこなすほど、活動範囲が広がるからです。
私の場合、鉛筆では書けなかった文章がパソコンで書けるようになり、目の見えるみなさんとメールを交換したり、普通に原稿を提出できるようになりました。いままで人に頼るしかなかった辞書やリサーチが、インターネットでできます。ボタンという目印のないタッチ画面の操作をおぼえたことで、スマートフォンの地図ソフトやカメラ機能を使い、目的地までの道順を知ったり、箱の表書きを読ませて、開ける前に中身を知ることもできるのです。
86歳のおじいちゃまが、スマホ片手に旅をし、読み上げソフトが乏しいなかで、機械マニアの視覚障害者仲間たちが日々パソコンを駆使しておられる。それに励まされ、私も勇気を出して機械に向かいます。
そんなとき、思うのです。人生、学ぶ気持ちさえあれば、可能性は無限なのだ、と。