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キリスト教との出会い

熊本 洋

今日の心の糧イメージ

日本にキリスト教をもたらしたのは、誰もが知る、1549年来日のフランシスコ・ザビエル。当時は、航空機もスエズ運河もなく、ザビエルは、スペインからアフリカ南端を経て、インドのゴアに到着、このゴアの宣教拠点からは、中国の木造船、300トンのジャンクに5ヶ月ゆられ、鹿児島にたどり着きました。465年前の8月15日でした。

このジャンクはおよそ2ヶ月半鹿児島に停泊、11月に入って、ザビエルを残しゴアに引き返しましたが、このジャンクには、ザビエルに代わり、ゴアでキリスト教を学ぼうと意気込んだ、4人の日本人が乗り込みました。そのうち2人はお坊さんでした。遠路はるばる日本にやってきたザビエルの宣教熱心に絆されていたに違いありません。

このゴアに戻るジャンクには、4人の日本人のほか、もう一つの重要事項、1549年11月5日付のザビエルの「日本からの初めての手紙」が本国へ言付けられました。その中でザビエルは、日本の第一印象を次のように述べています。

「島国日本は、私達の聖なる信仰の公布に、非常に優れた条件を備えていることを、報告したい...。もし私達が日本語に堪能であるならば、多数の者が、キリストの教えを受入れるようになることは、絶対に疑いを得ない。どうぞ我らの主なる神が、早く私達を日本語のできる人間にして下さらんことを...」

ザビエルは、このように日本人を褒め、日本に大きな期待を寄せていることを、この日本からの第一報で披露したのでした。

顧みるに、この聖フランシスコ・ザビエルの日本人への期待は、今も存続、かねてより日本に深い関心を抱く、ローマ法皇・フランシスコも、恐らく同じ期待を寄せられていると思われます。