仏教では悟りのことを諦めるといいます。明らかにするという意味でしょう。この老いの現実を受容した上で、「一年の計は元旦にあり」といいますから、わたしはどうしたら、「内なる人」を日々活性化するかを考えました。すると、たとえば、学びということが思い出されます。読書や執筆は頭の訓練にもなります。それから何か有益な仕事をすることでしょう。わたしには大学定年後も、いくつかの講座があるので、少なくとも週に3回は講義をしなければなりません。こうして少しでも脳を活性化しようと努めます。
ともあれ、日常生活の中でも利己的な動機よりも、ささやかでも世のため人のためになることが何かを考え、それを選択して実行するようにします。また、人はよき言葉によって生きることができるので、外の人々と話す機会を探しています。
最後に、内なる人とあるのは自分の心の深奥にある真実の自己、すなわち神さまのことですから、それと対話することを大切にします。具体的には、朝と晩、十五分位の時間を瞑想や祈りに使います。そうすれば日々、新しい自分を見出すことができるでしょう。