このシリーズを描いている時、度々読んだ聖書の箇所が、マタイ、マルコ、ルカの三福音書に書かれている、ゲッセマニの園でイエスが祈られる場面でした。イエスご自身が「出来ることなら、この杯を私から取り除けて下さい。」と、素直に恐れと悩みを告白され、起きて祈っていて欲しいと云われたのに、眠ってしまった弟子達に「誘惑に陥らないように、目を覚まして祈っていなさい。心は、はやっていても、肉体は弱いものだ。」とおっしゃいます。
現代においても、人生の節目々々に、そしてこれからも、試されて悩み迷うことは起こり続けることです。迷いを認め、神様に「わたしの望み通りではなく、お望み通りになりますように。」と信頼を置くなら、人生の困難に遭遇し深い霧の中に迷い込んでも、必ず道が見つかり前進できるでしょう。
祈りつつ描いた「あなたなら」という、足跡のついた雪道に置かれた踏み絵の作品が、シリーズ最後の作品です。