人間にとって、輝きとは何だろう。輝かしい業績、輝くばかりの美貌、勝利に輝く・・こうしたものなら分かりやすい。なぜなら、これらは目によく見える。だが、心の輝きと言われると、よく分からない。心は見えない場所にあるからだ。ちょうど、大切なものが人目に曝されず、奥まったところにしまっておかれるように。ただ、心がなした仕事が形になるのを、私たちは見るのである。
小さなカタバミにならうとすれば、心の輝きとは、ささやかな自分に誇りと自負心を持つことだ。自分以上のものを望まない。見栄を張ったり、嘘をついて自分をよく見せようとしたりしない。そして、与えられた自分自身を発揮して、善きものへ向かう時、見えない心は輝くのではないかと思う。
カタバミは繁殖力の強い植物だそうだ。一度根付くと、除去するのが難しい。小さな草花の根が、見えない地面の下で逞しいように、私たちの心も光の方角を知り、強く輝いていたいと願っている。