一方、経験不足や、想像力が足りないために、せっかくの誘導サービスを台無しにしてしまう方も少なくありません。
「何かパンに合うお惣菜はありますか?」「お惣菜って何ですか?」
「コロッケのようなものとか」「コロッケはありません」。「フライドチキンのようなものは?」「チキンはおいてありません」。
「ではお惣菜コーナーには何がおいてありますか」「どんなものがほしいんですか」。
こちらは買う気満々。惣菜コーナーには確実に美味しそうなものが並んでいるはず、なのに、こんな会話が延々と続き、買い物がまったく進まない。私がどんなに質問にヒントを交えても、店員さんの側に伝わらないのです。相手の立場になるとか、相手の状況を想像するといった愛の気持ちがなければ、こんな簡単な会話も成り立たないのです。
かと思うと、私を友達のように思いやり、ご自分の視点で上手に品物を説明してくださる方もいます。彼らからは、暖かく、愛に満ちた語調が感じられます。
こんな経験から、私はいつも、愛の実践は最も小さな言葉や行動から出発するのだと思うのです。