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愛の実践

村田 佳代子

今日の心の糧イメージ

 愛とは、いつくしむ、かわいがる、いたわるなどの行為であり、その対象により、友愛、母性愛、博愛、隣人愛など色々に表現され、状態により慈愛、情愛、敬愛、熱愛、溺愛と様々な云い方をされます。恋愛や性愛となるとますます範囲は広がりますが、私達が神様のみ心にかなう愛を、実践するということになると、隣人愛、博愛を目指すべきなのでしょう。

 ルカによる福音書10章に書かれている善きサマリア人の話は、まさに愛の実践のお手本です。「隣人を自分のように愛せよ」という律法の部分は、マタイもマルコも福音書にしっかり記録していますが、「わたしの隣人とは誰ですか」と尋ねられた答えとしてイエスが話された、サマリア人の行動については、ルカの福音書でのみ知ることが出来ます。

 私達は家族の中や学校や職場などお互いに見知っていて、気持ちをわかりあえる間柄であれば自然に親切に出来、情愛や敬愛を込めた行動を実践出来ます。ところがイエスが話された追いはぎに襲われた人と、通りがかりのサマリア人は全く見ず知らずの他人です。そればかりか普段は交流のない、差別される関係の人同士だったのです。

 マタイの福音書5章44節には「自分の敵を愛し、迫害する者のために祈りなさい」という重いみ言葉があります。やはり究極の愛を目指すなら、敵対する人に対しても、惜しみない愛情をそそぎ許すことの出来る、大きな心と勇気を持って博愛を実践することであり、神様は人類にそれを望んでいらっしゃるのだと思います。