2014年07月02日の心の糧


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愛の実践

森田 直樹 神父

今日の心の糧イメージ  人は一人だけでは生きていけない。一人ぼっちで生きられると肩肘張ってみても、毎日の生活を丁寧に眺めてみれば、多くの人たちの支えがあって生きていることに気付かされる。

 朝起きて、電気をつけるが、電気すら私たちは自分でおこすことができない。多くの人たちの働きと支えがあって、電灯をともし、家電製品を動かすことができる。

 顔を洗う水もそうである。これまた多くの人たちの働きと支えがあって、顔を洗い、水を飲むことができている。

 言うまでもなく、住んでいる建物も自分一人だけで建てたわけではないし、食べている食品も自分一人で育てたものではない。さらに、着ている服だって、自分一人で作ったものではない。

 一人一人が集まって一緒に生きている社会というものは、私だけではなく、誰かのためにも働き、誰かのことも考え、誰かのためにも尽くすことを前提としている。

 どこかで聞いた話だが、北極圏に住むイヌイットの人たちは、厳しい自然の中で、支え合って、助け合って生きている。子どもたちに競争をさせて「一番最初に問題を解いた人にはごほうびをあげます」と先生が言うと、一番最初に問題が解けた子どもは、まだ解けていない子どもに解き方を教え、全員そろって「できました」と手を挙げるそうである。厳しい自然の中では、一人だけ抜け駆けはできない。

 社会の中で生きるとは、お互いに助け合い、支え合って生きることが暗黙のうちに求められている。お互いの思いやりや愛の実践なしには社会生活は成立しない、と私は思う。

 ヨハネは、次のように私たちに勧めている。

 「目に見える兄弟を愛さない者は、目に見えない神を愛することができません。神を愛する人は、兄弟をも愛すべきです。これが、神から受けた掟です。」(Ⅰヨハネ4・20〜21)