もう1人のおばあさんは、大津波でご兄弟を亡くされ、家も流されてしまうという悲劇を身に受けながらも、やはり毎朝、教会に通い続けて祈られた。震災から丁度1年目、周りの人たちが号泣して祈っている最中にいち早く心を切り替えて、周りの人たちを笑顔で「お茶っこ」に招いたのは、このおばあさんであった。
「それでも感謝すること」「それでも信じぬくこと」このような信仰をこの二人のおばあさんたちから私は学び、またこのように生きている多くの信者さんたちに出会ってきた。私にとっては、宝物となる体験であった。
私たちの人生の中で出会う苦しみや困難、病気や絶望を抱えて生きているその時にこそ、それでも感謝すること、それでも信じぬくことを信仰は求めているのだと私は思う。
数々の迫害や困難、苦しみを体験した使徒パウロ自身が次のように私たちに勧めている。「いつも喜んでいなさい。絶えず祈りなさい。どんなことにも感謝しなさい。これこそ、キリスト・イエスにおいて、神があなたがたに望んでおられることです。」(Ⅰテサロニケ5・16〜19)