ある小学校の6年になる女子の1人が、次のような詩を書いています。
「王さまのごめいれい」
といって バケツの中へ手を入れる
「王さまって だれ」
「私の心のこと」
多分、寒い朝、雑巾をゆすいで、しぼらないといけない時の心の動きが、この詩に表現されています。「いやだなあ」という気持ち、「でも、しないといけない。王さまのご命令だから」という、自分自身との会話。
実は、私たち 一人ひとりの心の中にも、この"王さま"は住んでおられるのです。ためらっている私たちに、善いことを「しなさいよ」とすすめ、悪いことを「してはいけません」と制止していてくださるのです。
神の呼びかけは、かくて、電車の中で、高齢の方に席を譲ろうか、譲るまいか、嘘をつこうか、つくまいか、こぼした水を拭こうか、そのままにしておこうかと、ためらっている私たちに、どうしたらよいかを囁いてくださっています。この「王さまのご命令」に耳を傾け、従って、生きてゆきたいものです。