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仕事と私

植村 高雄

今日の心の糧イメージ

 「仕事と私」の関係は恩人と私の関係に似ています。私は仕事に恩を感じているのです。

 私の仕事は「日本人の生き甲斐」の研究です。欧米で宗教心理学を学んだ時「人間の視線は、その人の人生全体を表現している」という先生の言葉が私の生涯の仕事を方向づけたようです。生き甲斐の研究は実に楽しいのです。どの国の人でも、視線はその人の心を表現していて、暖かい視線もあれば、恐ろしい視線もあります。

 「目は口ほどに物をいう」と言う諺がありますが、それは世界共通のようです。この視線について研究をすればするほど、その人の目はその人の生き甲斐を正直に表していることが分かります。

 自分が生き甲斐を感じている時と感じていない時の目を、鏡で見ながら自己分析し、論文を書いた事があります。生き甲斐を感じていない時の目は自分ながら嫌になりましたが、元気に明るく生きている時の目は、自分ながら素晴らしいなあ、と感動したこともあります。

 面白い事に、理性が満足した時と感情が満足した時の目の輝きが、私の場合は完全に違うのです。あれ、と思いました。

 また、自分の目が美しく輝いている時は仕事が順調に進みますが、目が死んでいる時は仕事が上手くいかないのです。その時は苦しいので、愛である神様に助けを求めます。

 真剣に神様に祈っている時の目を書斎で偶然見た事がありますが、とても澄み切った目でした。心が乱れていても愛である神様に祈る人間の目はいつも美しいような気がします。この生き甲斐探求の私の仕事は、とてもやりがいのある仕事だと神様に感謝しています。