このロザリオには16個のイエズスさまの苦しみのお姿が金属に刻まれているため、これを持ち帰る際、飛行場での手荷物検査でブザーが鳴り、大変戸惑った。念のためと手荷物の中を調べられ、やっとブザーの原因が金属の多いロザリオと判明した時、ホッとした。
係員の方がロザリオを目にした時、ハッと顔色を変え、大変申し訳なさそうな顔をしたことを覚えている。
ロザリオといえば、現在85歳になる五島の従兄に、もう80年近く使っているという黒い玉のロザリオを見せてもらった。
初聖体の時にシスターが手で作ってプレゼントしてくれたそうで、一度も鎖が切れたことがないという丈夫なロザリオである。
黒い玉は従兄の祈りが指先でみがかれ、尊い光を発していた。
「わあー、こげんロザリオば唱えたとね!」と私は感嘆の声を挙げた。