

五つの教会を、三人の神父で担当するという、共同宣教司牧というものを大阪ではじめたときのことです。そのときの三人とは、ベルギー人とアメリカ人と私でした。
ベルギーの神父から次のように言われたのを思い出します。「松浦さん、あなたは私のように一人ひとりの人と深く関わっていないのに、何かがあるとしっかりと対応している。
先日、ある方から電話がありました。40年前に出会ったご婦人の娘さんからでした。「昨年父が亡くなりました。喪中の葉書を送ったのですが、返送されてきていました。その後、父あての年賀状を送ってきてくださっていたので、こうして電話しました。父の一周忌のためのミサをささげてください」といった内容でした。
その娘さんと出会った時の状況などを覚えていたので、会話は弾んだのですが、実はその方と会ったのはそのときの一回限りでした。隣で電話のやりとりを聞いていた人は、お互いによく覚えているものだと感心していました。
人生が積み重なると、このような経験が多くなっていきます。そしてそこに私の生き方も見えてくるようです。一つ一つのことではなく、全体的に大事なポイントを絞って、それだけを覚えていく。細かいことは忘れてもいい、大きな事だけを心にしまっておく、そんな生き方です。
それは人生にメリハリを作り、そのリズムの中で人生を健やかに生きていくやり方なのだと、このごろ気付きました。そのために大切なことをしっかりと心に留めようと思う今日この頃です。