

豊かさとは何でしょうか。多様の意味があると思います。
若い頃、初めて日本を離れてアメリカに滞在した時、文化や価値観の違いに戸惑いながらも、人々の温かさや前向きな生き方に深い感銘を受けました。他者を心から褒め、喜びを分かち合い、感謝を素直に伝える彼らの姿勢はとても新鮮で、人としての器の大きさを感じました。そして、受け入れられている安心感を与えられました。
一方で、経済大国という表の顔の裏側に、人種差別や格差といった、
日本は戦後の高度成長を経て経済的には豊かになりましたが、心の充足まで得られたとは言えません。むしろ、物が乏しい時代を生き抜いてきた人々の中にこそ、真の豊かさを感じることがあります。
日本の教育や家庭では、長く「矯正」を重んじてきたため、自分を肯定することが難しい子どもたちも多いのではないでしょうか。人前で子どもを叱ったり否定したりする場面も少なくありません。私自身も厳しい親に育てられ、期待に応えられない自分は「ダメだ」と思い込んでいた時期がありました。
しかし、私たちは一人ひとり、神に愛された存在です。その豊かさに気づいた時、心のあり方が一変しました。愛されているかけがえのない自分を自覚できたことで、不完全ながらも私を愛してくれた親や周囲の人々の想いにも気づけるようになりました。
今の私は、日常の中で他者の良いところや小さな変化に気づいたら、言葉にして伝えることを大切にしています。それは、それぞれが唯一無二の存在であることを示したいからです。
そして、イエスが痛むほどに私たちを愛してくださったことを、ささやかでも分かち合いたいと願うからです。